歴史を振り返れば、10世紀には土佐の国司として派遣された紀貫之が、紀行文学『土佐日記』を著しています。そこには土佐人の明るく人情味豊かな様子や、古来よりお酒を愛した土地柄も読み取れます。また、幕末四賢侯のひとりで、大政奉還を幕府に建白した山内容堂は、鯨海酔侯の号をもつ、酒好きの殿様としても知られました。 |
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箸拳などのお座敷遊びも多彩な高知ですが、いっぽう、「お客」と呼ばれる家々での宴会も、祭りや冠婚葬祭に欠かせないもので、つい数十年前まで盛んに行われていました。皿鉢料理を囲む無礼講のにぎやかな宴です。 |
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皿鉢(さわち)料理とは?
有田焼や九谷焼の浅い大皿に盛りつけた、土佐の宴会料理。昭和の終わりごろまで、「お客」と呼ばれる自宅でのバイキング式宴会が盛んで、今も大人数の宴会場では皿鉢スタイルが受け継がれています。皿鉢には2種類あり、刺身やタタキを波のように並べた「刺身盛り」と、何種類もの寿司や料理、ようかんなどを盛りあわせた「組み物」からなっています。 |
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