南を土佐湾、北を四国山地にかこまれた高知県は、交通が不便だったせいか、古いこと
ばがたくさん残っています。たとえば、土佐弁で「おどろく」は「はっと目をさます」と
いう意味で、これは万葉集にも出てくることばです。
 また土佐弁には、県の中・東部の「高知弁」と西部の「幡多弁」があり、そのちがいは
アクセントです。一般に「土佐弁」というときは、東京弁のアクセントに近い幡多弁より
高知弁を指すことが多いようです。
 



月の名所桂浜、「よさこい節」にも歌われた悲恋の舞台はりまや橋、太古のロマン龍河洞、南海の名城高知城、悠久の清流四万十川など全国に知られた観光地に加えて、近年は龍馬の生まれたまち記念館やアンパンマンミュージアムなど、歴史や文化を体感できる施設も充実してきました。また、市民グループなどの海や山の魅力を伝える体験型観光の試みも始まり、注目を集めています。


東の端の東洋町から西の端の宿毛市まで、高知の海岸は全長にして700kmを超えています。空海修行の地室戸岬から、歌に名高い桂浜、断崖絶壁奇岩怪石の足摺岬に大堂海岸まで、訪れる人を飽きさせることのない様々な顔を見せてくれます。


  そして土佐人が”おらんくの池”と言い放つ大海原に漕ぎ出して、汐吹く鯨を間近に見に行くホエールウォッチングが体験できる漁港も県内各地にあります。大月町の柏島など西南海岸周辺は、全国有数のダイビングスポットとしても有名。もちろん大物狙いの太公望も垂涎の磯釣りスポットにもこと欠きません。


分け入っても分け入っても深く険しい土佐の山も、季節によって様々な姿を見せてくれます。春は花咲き夏茂り秋は紅葉の錦織りという、まるで詩さながらの景色です。この豊かな山が育んだ水を満々とたたえる河川の流域では、農家民宿やカヌー体験などが各地に用意されています。