神峯寺から約40km。長い道のりを経てようやくたどり着くのが、香南市野市町にある大日寺です。天平年間(729〜749)に、聖武天皇の勅願により行基が開基しましたが、まもなく荒廃。弘法大師の手により再興されました。
ご本尊は国の重要文化財にも指定されている「大日如来」。奥の院には、大師が楠の大木に爪で刻んだいう薬師如来があり、「爪彫薬師堂」と呼ばれています。目、耳、口、鼻など首から上の病気にご利益があると言われ、多くの人が祈願に訪れています。明治初期、廃仏毀釈の影響で、廃寺となってしまいましたが、その間も地元の人たちは本堂を「大日堂」として守り続けたそうです。明治27年、寺は再興し、現在に至っています。