高知県最後の札所となるのが延光寺です。寺のある宿毛市は、海面でだるまの形になる「だるま夕日」が有名で、運が良ければその神秘的な現象を見ることができます。寺の歴史は古く、神亀元年(724年)、行基が「薬師如来」を刻んで開山し、当初は「鶴亀山 施薬院宝光寺」と呼ばれていました。その後、弘法大師が巡錫の際、日光・月光菩薩を安置し、再興しました。
寺に入ってまず目に飛び込んでくるのが、入口にある梵鐘です。鐘が亀の背に乗っているのは、延喜11年(911年)、池に住んでいた赤い亀が、竜宮城からこの鐘を背負って帰ってきたから、と言い伝えられています。国の重要文化財にも指定されている寺宝です。