「分かり難いでしょうから、外に出て待ってますから」携帯電話の向こうから竹ノ元のお母さんの優しい声。決して、道が分かり難かったのではない。高知市から伊野の町を経由して 1 時間少々、ほぼ平坦で快適な道。多分この辺りと見当はつくのだが、看板がなく、どの家なのか分からなかっただけ。
そして、教えられた坂道を登りかけて、見上げると、お母さんの姿があった。 促されてキッチンに上がると、コーヒーや手摘みのお茶やスイカが次々に出てくる。 察するところ、相当早くから、出迎える準備をしていたようだ。お母さんが淹れるお茶の香りに誘われて、お父さんが顔を出す。穏やかな一日が穏やかに始まった。
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