赤岡町の絵金祭りは毎年 7 月の第3土・日に開催。暗闇に浮かぶ屏風絵も美しいが夕暮れ時もおすすめ。

幕末の絵師金蔵(絵金)は、高知県内ではゴッホ、ゴーギャンより知名度が高い。しかし、全国区ではほとんど無名と思っていたのですが、意外に、手描きの凧や提灯を作っている人たちの間では良く知られていると聞いて驚いたことがあります。また、世界遺産や世界の美術のような映像を撮っている人たちの間では、いつか絵金を撮りたいという人が少なくないという話も聞いたことがあります。
しかし、残念ながら絵金の23点の屏風絵のオリジナルは、赤岡町須留田八幡宮の宵宮と絵金祭り(共に毎年7月)でなければ見ることができません。ただ、百数十年前の貴重な屏風絵を惜しげもなく商店街の軒先に並べ、蝋燭を灯して見せるという絵金祭りは、本当に貴重です。本来なら美術館の硝子ケースに納められていても不思議ではないものです。それを裸で晒してみせるのは、絵金の町赤岡の人々の気概の証明です。

絵金蔵:祭りを見逃したら「絵金蔵」へ。
また、異なる世界が演出されていて面白い。
香南市赤岡町538 TEL 0887-57-7117
絵金は、文化9年(1812 年)高知城下に生まれ、16歳で江戸に出て狩野派に学んだ絵師です。後年、赤岡で町絵師となりますが、その時代に描いた芝居絵が今に伝えられ、多くの人々を魅了しています。町絵師として、台提灯絵、絵馬、凧絵なども数多く描いたと伝えられていますが、現存するものは多くありません。その画の評価は専門家に委ねるとして、祭りで絵金に触れた人の多くは、確かに時代を経た画を前にしているはずなのに、まだ絵の具の乾かない画を見せられているような錯覚に陥ります。絵金が、
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高知県香南市赤岡町 |
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