鰹のタタキ
本場のタタキはやっぱり旨い!土佐の鰹が美味しい理由
回遊魚である鰹が黒潮に乗って土佐沖に現れるのは3月頃からで、4月初旬から7月にかけて水揚げされる鰹を「初鰹(上り鰹)」と呼びその鰹の群れは三陸沖から北海道沖に向かいます。その後成長した鰹は、9月頃の海水温が下がってくる時期にUターンを始めます。この9月から11月にかけて土佐沖に戻ってくる鰹を「戻り鰹(下り鰹)」と呼びます。高知の鰹が有名なのは、鰹漁の基地があるということもありますが、土佐沖の海を通る時期の鰹が一番おいしいことが最大の理由です。
【初鰹】(3月〜6月)
鮮度が良く、香り高いのが特徴。高知では、皮をつけたままの刺身でいただくのがおいしいとされています。
【戻り鰹】(9月〜11月)
魚体が大きく脂がのり重厚な味わいがします。


本当に旨いタタキはこうして生まれる。優れた目利きと熟練の技で、本当に旨いタタキに仕上がる。
 
まず全体を見ます。脂のりの良さそうな銀びかりしているものをチョイス。目玉がイキイキとしているかどうかも目利きのポイント。この裏から肉質・色の判断をします(写真)。   市場のセリで落としたばかりの鰹をさばきます。鰹のおろし方は一般の魚と異なり2枚おろし。細長い包丁を素早く差し入れ、あっという間に4節に。
 
おろした身に塩を振り、手でなじますようにたたきます。この作業から「タタキ」という呼び名が生まれたそうです。   豪勢に燃えさかる炎や、風味豊かな藁焼きタタキのためには、こんな長い藁が不可欠。
 
生焼きだと生臭く、焼きすぎると焼き鰹になります。火加減と焼き時間のタイミングを知る職人は高知でも数少ないそうです。   絶妙の焼き加減がタタキの味を左右します。
たっぷりの薬味と一緒に。鰹のタタキに薬味は欠かせない。にんにく、みょうが、ネギ、しそなどお好みで。
 
薬味は鰹が隠れるくらい、たっぷりと。チリ酢または、ポン酢を豪快にかけたら完成。厚く切ったタタキ、にんにく、薬味と一緒に口に放り込めば至福の味が広がる。   さっと炙ったタタキを温かいうちに切り、パッパと粗塩をまぶした塩タタキも最高!ローストビーフのような重厚な味わいがクセになる!
捨てるところがない鰹。鰹は捨てるところがないといわれる魚。 腹はハランボ、心臓はチチコ、胃袋と腸は酒盗に。
   
ハランボ   チチコ   酒盗
「酒盗」とはあまりの美味しさに、いつの間にか酒が進むという意味で名付けられました。鰹の内臓を塩辛にしたものです。   チチコとは鰹の心臓のことで、一匹につき一つしか採れない貴重なもの。コリコリとした食感で独特の風味がクセになる一品です。   マグロでいえばトロの部分。生で食べるより、塩を振って炙って食べると格別に美味しいです。