高知で食べる 皿鉢料理


高知の「おきゃく」(宴会)といえば、これがないと始まりません。皿鉢とは、有田焼もしくは久谷焼の口径36センチくらい以上の浅い大皿。その大皿いっぱいに、これでもかというくらい料理を盛り込んだのが、皿鉢料理です。刺身盛り、組み盛りを分けるのが正式ですが、少人数なら一枚に盛ることも。今でいうバイキング形式で、小皿に好きなものを好きなぶんだけ取り分けるので、女性が席を立って次の料理を準備しなくてもよいスタイルです。

高知で食べる 皿鉢料理
高知は魚がおいしいところ。四季を通じて常に新鮮な魚が手に入るために、生(刺身)にはことかきません。刺身盛りには、はつ(まぐろの赤身)、ないらげ(かじきまぐろ)、たい、はまち、いか、かつおなどその時々の旬の魚が、彩りよくどーんとならびます。また、県魚でもあるかつおは、タタキのみをひとつの皿鉢に盛りつける場合もあるくらい、土佐の味覚の代表格で、薬味のにんにくも土佐流。

海、山、川の幸を使った煮物、焼き物、揚げ物、練り物。そしてフルーツや羊かんなどのデザートが一枚の皿に彩りよく豪快に盛り付けられています。寿司といえば、さば、あまだいなどの姿寿司が見事な存在感。にぎり寿司や巻き寿司なども数種類並びます。三色で層になった派手な羊かん、芯にゆで卵を入れた特大の円形かまぼこ。そして、中央にそびえ立つ、さば寿司の頭。ビバ土佐。皿鉢の上はお祭り騒ぎです。