Vol.2 実家の味を継ぐために
ショップたけざき 店長
竹崎 直樹さん Takezaki Naoki
Uターンして8年、おむすびと玉子焼きの日々
一見、普通のおむすびである。玉子焼である。ところが、これが実にうまい。その噂が噂を呼んで高知県の片田舎にありながら、1日におむすび1千個、玉子焼300本以上、土日にはその2倍以上を売り上げる。「嬉しいですね。家庭で食べているようなふだん着の味に人は感動してくれるのかな。人を動かしたり、喜ばせたりするのは高価なものでなくてもええんやなと実感しました」。そこには常に労をいとわず、客のニーズに応え続けて来た小さな店のまじめな生き方がある。直樹さんは千葉県の大学卒業後、アルバイトをしながら教師をめざして勉強を続けていたが、母の病気を機にUターンを決意。教師になる夢と都会暮らしをたたんで、家業の『ショップたけざき』を継いだ。それから8年、売り上げは2倍近くに伸びた。「高知に帰って来て、やっぱり地元はええなあと思います。それにぼくは教師よりは商売に向いちょったのかもしれんですね」と笑う。
30年以上受け継がれ、守られてきた店と味
『ショップたけざき』は、昭和48年に『竹崎商店』として開店。おむすびは母のチヨさんが昭和52年頃から作り始めたもの。早朝4時開店、しかもぬくぬくのおむすびが食べられると、釣り客やサーフィン客の間で評判となった。玉子焼は平成5年頃から。「最初、玉子焼はあまり売れなかった。ある日、お客様が“おむすびと玉子焼を一緒にしたら”と。その一言から、あのおむすび2個と玉子焼のセットが生まれました」。これが、たけざきの名前をさらに口コミで広げた。
ええ味出した人生を
 今は店長として、玉子焼を作り続ける日々。ダシがじゅわっ、たまごがふわっ、焦げ目のない玉子焼には父親直伝のレシピとコツがある。それは手で覚えるしかない。新たなメニューも作り、配達、宣伝、出張販売も始めた。「親が成功したことを継ぐのは簡単なことだといわれるのは口惜しい。だから、店長として玉子を焼くのが誰よりも一番上手でいたいんです。もっともっと、お客さんに愛される店にしていきたい」。直樹さんはUターンして充実した人生を歩んでいる。玉子焼同様、ええ味出している人である。
DATA
ショップたけざき 店長
竹崎 直樹さん Takezaki Naoki
住所 高高知県須崎市下分乙819-1
HP http://plaza.rakuten.co.jp/secretbeat/
市町村データ
須崎市(すさきし):カワウソの住む、自然豊かなまち
 
http://www.city.susaki.kochi.jp/
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