Vol.3 「ぽっちり暮らし」から生まれる「ぽっちりケーキ」

ぽっちり堂
川村 幸司さん・圭子さん草生太くん Kawamura Koji & Keiko & Sota
祖父たちの歩んだ暮らしを受け継いで
「ぽっちり」とは土佐弁で「ちょうど良い」という意味。自らの暮らす家を「ぽっちり堂」と名づけ、 心地よさを感じながら暮らす日々。「いかにお金をかけず豊かに暮らすかということはテーマかも知れませんねえ」と穏やかな口調で語ってくれたご主人は土佐町出身。京都の大学を卒業後、そのまま在京し福祉の仕事に携わっていたご主人と大阪生まれの奥さんが、お子さんの誕生を機にUターン。祖父が育った古民家で、自分達の畑で採れた作物などでケーキ作りをしつつ祖父たちの歩んだ暮らしを受け継いでいます。
ひいじいちゃんのお母さんの嫁入り道具
三人が暮らしている家、ぽっちり堂は、ひいひいばあちゃんの嫁入り道具だったと言います。玄関の横に続く縁側は、ひなたぼっこやそうた君が駆け回るのにぼっちり。ふすまで仕切られた部屋は開け放すと大広間になります。畑仕事の途中に、すぐ台所に入れる勝手口。この家には、暮らしに即した昔ながらの知恵が生きています。「京都に暮らしている時も、よく帰って来てはここでぼーっとしていました。帰ってきたのもこの家に惹かれたからかもしれません。」と圭子さん。昔の佇まいに自分達の色を溶け合わせながら暮らしている家は、家族の暮らしが何層にも重なりあった厚みと温かさが漂っていました。
畑から生まれた季節の贈り物
幸司さんの起床は朝4時。ケーキの仕込みなどをし、だいたい六時半ごろから朝食。「それから畑に出る日もあれば、ケーキを作る日もあり…」と言ったところで「生活リズムとしてはあまり決まってないですね」。これは自然のリズムに合わせて生活をしているということ。そんな暮らしから「ぽっちり堂のケーキ」は作られています。原料には、とれたて平飼い卵、国産小麦、てんさい等、季節のフルーツなど手作りで一つ一つ愛情を込めてつくられています。
・なつかしのしょうがのクッキー(土佐の黒糖入) ・よもぎのほろほろクッキー
・桜葉のケーキ(春) ・よもぎとあずきのケーキ ・薬膳チョコ(土佐の黒糖ラム酒使用)
・ほっこり土佐ジロー卵 ・自家製ゆずジャムとりんごのパウンドケーキ
家族4世代で田畑仕事
「幸せと感じるのはどんな時ですか?」という問いに、「(幸司さんからみて)おばあちゃん、お父さんとお母さん、奥さんとそうた(息子)。4世代が揃い米作りをしている光景を眺めた時にしみじみ幸せを感じたなあ」と幸司さん。核家族化と言われ数十年。今の日本では核家族が常識となり、家族が揃うことの方が少なくなっています。だからこそこの光景が贅沢な暮らしに映ります。
「ぽっちり暮らしの輪」ひろがれ
彼らの夢が詰まった絵。もっともっと移住の友達も欲しいといいます。「この幸せやワクワクが伝染して、活気と幸せが満ちていくことができれば…」。ぽっちり堂のケーキにはそんな想いも詰まっています。
DATA
ぽっちり堂
川村 幸司さん・圭子さん草生太くん Kawamura Koji & Keiko & Sota
住所 高知県土佐郡土佐町田井
HP 【ぽっちり堂のケーキ販売とぽっちりな暮らしを紹介】http://www.pocchiri.com/
市町村データ
土佐町:西日本最大のダムを有する水源の町。
 
http://www.town.tosa.kochi.jp/
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