竹田さんが作るイタリア料理は、一度イタリアへ旅行したヴェニスやフェレンチェで食べたトラットリアやリストランテと同じ味がした。料理それぞれにがっしりとしたヘビーな味わいで、ワインやビールに良く合う料理といえるし、それは高知ではなかなか出会えない大人の料理だ。それが気に入って移転オープンが目前だったが取材を申し込んだ。竹田さんの経歴はなかなか凄まじい。高知市内のイタリア料理店やカクテルバーで働いていたが、一から出直そうと25歳から3年間、イタリアへ出かけた。それも一ヶ所に腰を落ち着けることはなく、べルーノやペルージャをはじめ、プラト、ルッカ、トスカーナなどイタリアの地方10地区を転々としながらピザ屋からレストランまで勤務する。もちろんコネがある訳ではなく、言葉も喋れない中、実力だけで店を渡り歩き、次の地区へと移っていった。反対にローマやミラノなど大都市は料理のまがいものが多いので避けていたという。 |