ビストロ・白うさぎ
常に料理への探究心やこだわりを失わない「白うさぎ」のオーナーシェフ・影山陽之さんは、お米や野菜は奥様の実家(窪川)から無農薬で作ったものを送ってもらい、魚はすべて天然ものを使う。全ての料理が手づくりなので、夕方からの営業でも、朝10時にはお店に入り仕込みを始める。
老舗で学んだ基礎と実績、プロだから店から声がかかる。
「料理のコースは三千円からありますが、まずお客様に嫌いなものがないか聞きます。そしてドリンクのご注文を聞いて、それに合わせた料理をだします。ビール、ワイン、焼酎、それぞれに合う料理が違いますから。また、高知の豊かさは魚もですが、野菜の本来の美味しさも味わって欲しいですね」。影山さんの、瞬時に判断して料理を出せる引き出しの多さは、これまでの経験がなせる技。単品料理からコース料理まで、どれも納得出来る料理内容だ。しかも、料金も良心的。最近訪れた店の中でも人に教えるのがもったいないなと思った、秀逸なお店だ。
 
 
そんな、隠れた名店「白うさぎ」のオーナーシェフの影山陽之さんは、18歳で料理の世界に入り、老舗の懐石料理店で修業時代を過ごす。そして、25歳から県内のホテルの料理長を経験。この若さでの抜擢も凄いが、それにとどまることなく影山さんの「料理への探究心」は続いていく。「私なりに自信もあり、料理の評判が落ちている所に出向き、評価をあげるということがしたい年頃だったんでしょう。最初は皿鉢料理を学び、料亭では日本中の良い食材に触れて作ることが出来ました。ホテルの料理長時代は有給休暇が取れたので、海外へ旅行をして、現地の食材や料理を学んでいました」
これまでの実績を捨てて、 オーストラリアで勝負する。
  そんな順風満帆の料理人人生を歩んできた影山さんだが、38歳の時、ゼロからの出発を決意しオーストラリアへ旅立った。ここを選んだ理由は、タスマニアサーモンや良質の肉など食材が安く入り、刺身を食べる食文化があったこと。しかしゴミ運びからしなくてはいけない再スタートだった。
「もう一度実力主義で勝負しようと思ったんです。当時は日本料理といえば寿司やすき焼きと思われていましたし、料理の侘び寂が通用しない。刺身は食べても、活け締めで出せば動物虐待で罰金です(笑)そんな食文化の違いがあっても、頑張ろうという気でした。でもやっているうちに、地元の住人がお店を大事にする思いやりの文化もわかるようになりましたね」。2000年に行われたシドニーオリンピック、野球の日本代表チームの料理を作ったという影山さんは、着実に異国の地でも実力を発揮していた。
 しかし、実家の都合で高知に帰ることとなり、2003年、高知市追川筋にビストロ「白うさぎ」をオープン。そして、今年の2月、南はりまや町に移転オープンさせた。「これまで白うさぎは広告や紹介記事を断っていたんです。すべて口コミで広がって、ランチだけでも一日70食出る忙しさから、ちょっと体調を崩したこともあって、少し休み、移転オープンにしました」。新しいお店は、ゆったりと広く、飾らない雰囲気で、気軽に美味を堪能できる。おすすめの場所だ。
 
DATA
Vol.010
ビストロ・白うさぎ
場所 高知市南はりまや町2-1-29
 
 
TEL 088-884-3544
営業 17:30〜23:00(L.O.22:30)
定休 日曜日
駐車 なし
メニュー お刺身盛り合わせ 1500円
クリームコロッケ750円
カルフォルニアロール&シドニーロールの
組み合わせ850円
市町村データ
高知市(高知市):人口30万人を有する高知県最大の都市
高知市 高知市  
http://www.city.kochi.kochi.jp/
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