「さあ、こぢゃんと燻るぜよ」。稲藁に火をつけたら、鰹の背身、腹身をサスにのせ、まず、もおもおと上がる煙で鰹全体を包み込むように燻していく。火が上がったら一番火力の強いところで一気に炙る。「手も髪の毛も焦げるばぁ焼かにゃいかん」。タタキのうまいへたは、この焼き加減で決まる。
さて、その焼き上がりはほんの数分、皮から2〜3ミリほど内側に火が通ったぐらいがベスト。「焼き上がりをすぐに分厚く切って、ぬくぬくのタタキをニンニク芋をかじりもって食べるのが久礼流よ」と林さん。好みで天日塩、醤油で食べる。その大きな身切れを口いっぱいにほおばると、燻した藁の風味とともに鰹の旨味が広がる。これに生ニンニクのぴりっとした辛みが混ざってまた妙味を醸すわけで、こたえられない。なぜ鰹にニンニクなのかの理由がわかる。
「鰹に限らず、魚は金気と水気を嫌うので、久礼では焼いたタタキを氷水にも浸けんし、酢も使わん」。
やっぱり、うまい鰹の食べ方は地元の日常に習うがよろしい。
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